一日一食と腹七分目三食どちらがいい?

少食で三食のほうがいいのか、二食抜いて、一日一食の生活のほうがいいのか。
これは少食主義者の中でもよく話題になります。

 

私の考えでは、一日一食がおすすめです。
それは、より強い空腹感を感じることができるからです。

 

実際に腹七分目では血糖値は一日中、ある程度一定に保たれます。
すると「摂食中枢」は刺激されない。つまり、あまり空腹を感じないのです。

 

一方、一日一食では、朝と昼を食べません。
すると、 夕方には確実におなかが減ってきます。
実はこの空腹感こそが大切なのです。

 

そして、空腹感が大事なのはその謎を解く長寿遺伝子が大きく関係しているからです。

 

 

「食べない人はなぜ若い?」「食べる人はなぜ老ける?」「腹六分のネズミが2倍生きた」。
これらの研究報告に、長い間、研究者たちは首をかしげていました。
しかし、 長寿遺伝子の発見で、その謎は解明されたのです。

 

謎の解明の前に老化がどういう現象なのかを確認します。
老化は、遺伝子が傷つくことで起こります。
遺伝子を傷つけるのは活性酸素や紫外線など。
若いうちは、遺伝子は自分で修復することが可能です。
しかし、年齢を重ねるうちに修復能力も衰えます。
傷ついた遺伝子は傷ついた細胞をつくりだします。
これが老化細胞です。

 

白髪やシミなどの老化現象は、こうして現れます。
生命があるかぎり、老化は避けて通れません。

 

し かし、老化を遅らせることはできるのです。
空腹感は若さをもたらす幸福感は長寿遺伝子をオンにするのです。。
長寿遺伝子がオンになると、他の体細胞の遺伝子を守る保護、 酵素が形成されます。
それが活性酸素や紫外線から遺伝子を守り、老化を防ぐのです。

 

よって一にも、二にも、長寿遺伝子のスイッチをオンにすることが肝要となります。
そのスイッチオンの刺激が空腹感なのです。

 

空腹あるいは飢餓は、生体にとって一種の危機です。
空腹感は、その緊急事態を知らせるアラーム(警報)。
生体は生きのびるため生体防 護システムを発動すると考えられます。
その指令によって体細胞は防護バリアで守られ、老化が抑制されるのです。

 

空腹感と長寿遺伝子のつながりを3パターンで比較したラットの実験があります。

 

A:好きなだけ食べさせた。
B:毎食、カロリーを8パーセントに抑えた。
C:一日ごとに食べさせる日と断食を繰り返した。

 

その結果は.、Cが最も長生きし、体重も減らず、健康だった。
さらに、脳の老化損傷も少なく、ラットで観察されるアルツハイマーやパーキンソン病の率も少なかったのです。
「つまり、「断食」(空腹感)と「摂食」(満足感が交互に繰り返されることで、生命が活性化し、長寿になるのです。
それは空腹刺激のおかげです。

 

私は「空腹感」は「幸福感」だと思っています。
それは、空腹のときに若さを保つ長寿遺伝子がオンになるからです。
空腹によって生命は若々しく活性化されます。
「空腹を楽しめ」と諭すヨガの教えの神髄はここにあったのです。

 

空腹 = 若返り、ハッピーな気持ちで

「一日一食」や「断食」と聞くと、どうしてもつらいとか苦しいというイメージを抱きがちです。
でも、不安感や恐怖感をもったままファスティングを始めると、それはストレスになり、かえって体に害になります。
人類の長い歴史の中では、飢えが餓死につながる時代のほうが長く続きました。
でも、今、私たちがやろ うとしているファスティングは長寿遺伝子をオンにす るためのもの。
今の時代、幸いなことにめったなことで餓死することはありません。
ですから、空腹に恐怖を感じる必要はないのです。
おなかが鳴ったら「しめしめ、長寿遺伝子のスイッ チが入って、今、若返ってるところだぞ」と喜んでく ださい。
楽しみながら、無理せずに少しずつ行うファスティングでは、エンドルフィンなどの快楽ホルモン」 が分泌されます。
この幸福感が大事なのです。